ALS患者の在宅介護を支える制度  関 三千男(流山市在住)|船橋で喀痰吸引に対応の訪問介護サービス「ホームグランド」

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ご利用者様の声

ALS患者の在宅介護を支える制度  関 三千男 様(流山市在住)



 

 

●はじめに

 

妻がALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されておおよそ三年になります。
妻がALSと診断されたときには、発症から1年ほど経過していたことが推察されます。というのは、診断時の1年ほど前から指のつまみ動作が不自由になり、数回の転倒事故があったからです。
その後、二年半ほど在宅で妻を介護する中で、家族にとって専門スタッフによる在宅医療・介護の支援が欠かせないことを実感しました。ALS診断後、入院していた病院でMSWなどのスタッフに在宅医療・介護をするための貴重な助言を得ることができました。それは在宅医療、介護や住宅改修など公的支援の制度など多岐にわたるもので在宅介護に貴重な情報でした。

 
 

●運動機能障害をもたらすALS

 

ALSは四肢の運動の機能低下が進行する疾患です。発症時にADL(日常動作活動)の障害は少なくても、時間とともに四肢の機能低下と障害は進行します。そのため介護する上で寝たきりの状態を考慮した対策が求められます。

 

在宅介護開始時は車椅子生活になっていましたが自力で室内移動は出来たし、トイレも入浴も要所を介助すれば出来ました(写真左,右上)。
しかし、半年後には室内用簡易トイレが必要になり、入浴には室内に浴槽を持ち込む全面介助の訪問入浴が必要になりました。
在宅介護を開始したときにはスプーンを使って出来た食事も介助なしでは難しくなりました。まずスプーンや食器が握れなくなり、固形物の飲み込みも困難になったのです。
 
また発語機能の低下はコミュニケーション能力を低下させました。
それは妻のやって欲しいことや痛みなどの訴えを知ることが出来なくなります。
当初、聞き取りにくい場合は手書き、文字盤などを使用し意思伝達を補いました。
最終的には全く発語が出来なくなりましたが、最期まで残った左手の指の動きでコンピューター使用の「伝の心」で、かろうじて意思伝達は出来ました。

 
 

●ADLなど重度障害者の介護での問題

 

妻がベッド上の生活になって、介護者である私には訪問看護や訪問介護の利用は大きな支援と励ましになりました(写真右下)。
 
通常介護の場合、オムツ交換や清拭、口腔ケアなど身体介護や生活介護が主となります。
しかし、服薬や胃ろうによる栄養剤の投与、痰の吸引などは法律上介護士に資格取得が求められ、家族がやることになります。
 
これらは1日に3度以上にもなり、介護する家族を拘束することになりました。これらの医療的介護の資格を持たない場合、長時間介護のサービスを受けても家族には生活上の拘束は変わりません。

 
 

●専門スタッフによる長時間介護

 

昼間に訪問介護を受けても、妻には夕方の食事(栄養剤の胃ろうによる注入)や投薬、就寝時のオムツ交換、吸痰と投薬、翌朝の食事、投薬、吸痰の介護が必須でした。
老齢である私には週に1日でも拘束されない時間を希望していました。

 

重度障害の医療的介護が可能で、かつ長時間介護利用制度の存在とそれを行う事業所の存在を知ったのは妻が寝たきりになって2年近く経ってからでした。
 
介護士が泊まり込んで介護する制度を知り、その利用を申請するためケアマネジャーに相談しました。その結果、ホームグランド事業所を紹介され、お願いすることになりました。
しかし妻には戸惑いがあったようです。夜中、家庭に他人が泊まり込んでの介護は経験のないことですから、気持ちは分かりました。
 
しかし、夜間の介護が始まり一回二回と利用すると、妻はすぐ介護士さんに打ち解けてくれました。そして安心して介護士に医療的介護を委ねるだけでなく、訪問を待つようになりました。私は週二回の夜間介護で心身的に開放されました。何よりも精神的なゆとりが出来るようになり、妻にゆとりを持って接することができるようになったのです。

 
 

●重度障害者とその家族を支援するホームグランド事業所

 

ホームグランド事業所による夜間介護の利用はわずか二ヶ月でした。
これから利用回数を増やす準備をしていた矢先のことでした。
 
この3月(2019年)急変し病院に搬送されましたが、数時間後に呼吸不全で死去しました。
診断時に気管切開などの生命維持を望まないことを本人が意思表示していましたので、特別の医療処置は行いませんでした。穏やかな旅立ちでした。
 
重度障害者でも死の直前まで在宅で介護することができたのは、医療・介護スタッフなどチームの支援のお陰と思っています。とりわけ、夜間を含む長時間介護は家族の負担軽減に大きな力になることを実感しました。

 

国は在宅介護を広める必要があると言っています。
難病である本疾患では患者のADLの低下,言語障害、摂食障害、呼吸機能など低下の進行は免れることは出来ません。
 
長時間介護制度とホームグランドのような夜間も含む介護事業所の存在はかかせません。
ケアマネジャーを含む多くの関係者にこれらを知ってもらうことが大切です。
 
そして、重度の障害者を持つ家族の力になって欲しいと願うものです。

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